
「ベルリン・天使の詩」への冒涜である。
なんてクソミソに言われておりますが、この映画ええですよ。
なんてったってニコラス・ケイジが天使なのである。ちょっと疲れた幽霊にしか見えないのである。
でも図書館に天使が居るってのは素晴らしい。
しかも黒ずくめのニコラス・ケイジ。
私も図書館にはよく行くのだけど、こないだも片隅で佇んでいる天使を見た。
おお、ついに天使とご対面だあ、と近づいていくと近所の権蔵爺さんだった。
ゲートボールの派閥争いが激化して、公園の場所取り勝負で負けてしまったらしい。
役立たずの烙印を押されチームを追い出された権蔵爺さんは、行き場を失い毎日図書館に出没しているのである。その姿はまさに幽霊、いや天使。
私は権蔵爺さんのことを密かに「ニコラス」と呼ぶことにした。
ニコラスはもともと天使だったのだが、人間の娘に恋をし堕天使となったのである。
その人間の娘は隣町のおヨネ婆さん。
私はおヨネさんを「メグ」と呼んでいた。
しかしメグは「飛行機ぶーーん」とか言いながら両手放しの曲乗りチャリで車に轢かれ死んでしまったのである。
おヨネさん、いやメグが天使になったのか仏さんになったのか知る由もないが、災難なのは、永遠の命を捨てて人間になってしまった権蔵爺さん、いやニコラスなのである。
かくしてニコラスは恋にも敗れ、場所取りにも敗れ、毎日図書館で泣いているのである。
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