10分間の短編オムニバス作品集。
「映像とは芸術なり~~っ。」と鼻の穴を膨らませず肩の力を抜いて観ようではないかっ。むにゃむにゃ・・・・。zzzzzz・・・・。
15人の監督が「人生」「時」をテーマに手がけた『人生のメビウス The Trumpet』と『イデアの森 The Cello』。
『イデアの森 The Cello』
「水の寓話」 ベルナルド・ベルトルッチ
あれですな。タバコを買い行ったお父さん、そのまま帰ってこなかった・・・、という話ですかな?
オチが面白い。落語のオチである。
実際のところ時間の概念とはこんなものなのだろうか。
「時代×4」 マイク・フィギス
4分割クロス映像。これは目(頭)がおかしくなる。
4回観れば判る?4回楽しめる?4回退屈する?
ただ映像には引き込まれる。
この監督、天才なのか頭でっかちなのかは判らんがヘンな奴だということは間違いない。
「老優の一瞬」 イジー・メンツェル
これは凄いなあ。人生とは10分間で語れてしまうのだな。やはり映像は芸術だった。
人の人生を天空から見下ろす快感と自分に重ね合わせた時の感傷と残酷さ。
うーん、これは凄い。
台詞が一切なくても語りかけてくる。
「10分後」 イシュトヴァン・サボー
幸せなひと時から不幸のズンドコに転げ落ちるには10分もあれば十分なのですな。怖いですわ。物語は、さてこれからどうなる?というプロローグでしかないのだけど、短いと色々と想像を膨らませてしまう。父ちゃん、嫌やったのやなあ・・・。
「ジャン=リュック・ナンシーとの対話」 クレール・ドゥニ
こりはさっぱり。退屈。話が難しい。
列車からの風景がキレイ。(話についていけなくなると窓から外を眺めてみるといいね。)
「啓示されし者」 フォルカー・シュレンドルフ
これは蚊の目線なのか?蚊と言えども空を飛ぶものは神なのである。日常の風景でさえ、それぞれの人たちにとっては深い意味をもっている。でも蚊だからぶーーん。と飛ぶだけだ。
「星に魅せられて」マイケル・ラドフォード
これと「老優の一瞬」 がマイベスト。判りやすいし、悲しく切ない。
しかしこの手のフィルムにSFをもってくるところが素敵。タイムトラベルで10分間で80年間を過ごしてしまった男の話。冷たい画面と暖かい人物描写の対比が秀逸。えっえっえっ←泣いている。
「時間の闇の中で」ジャン=リュック・ゴダール
ええと、なんですか?ゴダールですねん・・・。さっぱりですねん。しかも反則のような映像のコラージュ。しかしワケ判らんままに画面に惹き付けられるのは(うそ)やはりゴダールの成せる業なのか。判ったフリをするのもけったクソ悪いし、あーーーやだやだ。
同じ10分でも作品によって感じる長さが違う。
駅のトイレに駆け込み全ての扉がふさがっていたときの10分は永遠に匹敵する。
zzz。