143分。長い。
え?この映画の監督は「21グラム」を撮った監督と同じ人?
というぐらい下がる下がる。
アメリカ、モロッコ、メキシコ、日本の4つの物語がひとつに繋がってゆくという群像劇なのだが、それぞれのエピソードが、ああもう、どーでもいいや状態。
四つの物語が上手にリンクしていないのが、どーもいけない。
モロッコサイド
冒頭の山羊飼いの少年の自慰行為シーンで、いきなり気分が萎える。どうも下品なんね、映画の色調が。
で、呑気に観光バスを標的にライフルの試し撃ち。んでアメリカ人女性を直撃。災難だ。
子供の馬鹿さ加減にイラつくのなんの。
アメリカサイド
撃たれた女性はケイト・ブランシェット。やっぱ名優ですな。この映画の唯一の救いかも。
旦那役のブラピとの関係修復旅行。ブラピの熱演もケイト・ブランシェットで影が霞むなあ。
メキシコサイド
ベビーシッターのおばちゃん。息子の結婚式のためにメキシコに帰りたいい。
ブラピ夫妻の子供を預っているが、ブラピたちが事故のため身動き取れない。で、子供を連れてメキシコに旅立つが、何てったって不法就労のため話がこじれてややこしくなる。
家政婦役のおばちゃんの悲壮感は良かった。いや良くないけど。
日本サイド
菊地凛子は聾唖の女子高生役。オヤジが役所広司。
オヤジが狩猟旅行でモロッコに置いて帰ったライフルが少年の手に渡るという設定。
他のエピソードとの接点がこれだけだし・・・。
豪華高層マンションに住む親子。娘が聾唖で親や世間とのコミュニケーションを歪ませているところが創世記のバベルの塔をモチーフにしているので、他の3つのエピソードとは独立しているのだ。
という好意的な見方はしませんよ、おらは。
相当このパートは陰で湿気てる。
菊地凛子の体当たり演技が評判になってたけど、役どころとして反則じゃないかと。
あれだな、自慰行為や覗きとかパンツを脱いで誘う女とか鶏の首を絞めるシーンとか実際に見かけたらドン引きだから。
それを映像だからといってそのまま表現してしまうところがセンス無しということなんだろう。
メセージは言語、繋がり、さらに民族や宗教の壁。てなとこですかな。
でも、この映画から流れてくる得体のしれない不快感はなんだろう。
「21グラム」は好きな映画だけに残念。
といいつつ、退屈はしかなったけど。