Tom Waits
聴きやすい、というのもあるけどトム・ウェイツは初期の作品が好きである。
「クロージング・タイム 」「土曜日の夜 」。
いつ聴いても泣けてくる。
別に嫌なことがなくても、どろどろ・・・な気分になる時期がある。
感情の起伏は少ない方だと思うのだが、僕は春先である。
あんこがニュイですわ。今朝もトイレに行ったらあんこがニュイっと出た。
心理分析官キンブリは語る。
「winosさん、どうしました?」
「なんだか、涙が出ちゃうの・・・。」
「それは花粉症ですな。」
僕は心の中にもう一つの部屋をもっている。そしてその部屋に逃避するのである。
部屋の中には積み木がある。おっぱい、ぼよよーーんのおねいさんもいる。酒も置いてある。
積み木で遊んだり、酒を飲んだり・・・・。遊び疲れたら、おねいさんの胸で眠るのである。
「さあ、ゆっくり眠りなさい。」
心理分析官キンブリは語る。
「あんた、相当危ないでんな。」
「だって、だって・・・。」
「治療しましょう。キーワードを・・・。」
「は?」
「思いつく言葉をいくつでも。」
「は?」
「治療の手がかりにします。」
「はあ。」
クソったれの人生。狂ったように浴びせられるクラクション。すえた臭いの部屋。湿ったマットレス。山となった煙草の吸殻。穴の開いた靴下。片思い。賭博の負け。憂鬱。街角に立つ女。三日前の宅配ピザ。遠距離電話。天国。結婚して判った旦那の変態癖。禁酒会。シスターの秘密。忘れた振りをする借金。肥満の猫。月明かり。ウィスキー。エロ本のモデルは同級生。
「こ、これは・・・」
「はあ、トム・ウェイツです・・・。」
「トム・ウェイツ?」
「クソっったれの人生。」
「・・・・・。」
「一日が終わって眠りにつくと忘れることが出来る。」
「・・・・・。」
「朝が来て目覚める。」
「・・・・。で?」
「また、クソったれの一日が始まる。」
「・・・・・。」
「でも、人生、そう捨てたもんじゃない。」
「・・・・・。あんた治療不可かも。」
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